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【バイリンガル教育に思うこと】バイリンガル教育って?バイリンガルって何?

バイリンガル教育とは

最近の国際化に伴い、子供をバイリンガルに育てたいという思いから、子供にバイリンガル教育をする親が増えているようです。

私はブラジル在住ですが、娘をポルトガル語と日本語のバイリンガル教育をしています。

ですが、近年の日本の幼児英語教育の過熱ぶりをみるにつけ、そもそも親がバイリンガルが何かを理解していないのではないかと思うことがふえてきました。

今回は、日本の外からみた日本のバイリンガル教育について思うことを書いてみます。

そもそもバイリンガルってなんだろう

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バイリンガル教育を語る前に、まずバイリンガルとは何か考えてみましょう。バイリンガルの日本語訳は二言語話者ですが、そんなに単純なものなのでしょうか。

筆者は、両親ともに日本人ですが、人生の半分以上を海外で過ごしています。(母語は日本語)日本人と他国籍のハーフの友人、純粋な日本人だけど育ちが外国の友人もたくさんいます。その殆どが日本に住む日本人からしたらバイリンガルですし、私自身もバイリンガルとみなされる事もあります。

しかしバイリンガルと一口で言っても、

1)二言語共に、ビジネスレベルの書類の読み書きが難なく行え、会議まで出来る人

2)一言語は読み書き含め問題なく物事に対処できるが、もう一方の言語は読み書きがイマイチな人

3)一方の言語が聞いて理解する事が出来るが、流暢に話す事は出来ない

等々

本当に様々です。

さて上記の中で一番言語能力が高いのは1)ですが、二言語とも「母語」である人は本当に稀です。一言語が「母語」、もう一言語が「流暢」である場合が殆どです。

では「母語」と「流暢」の違いはどこにあるのでしょうか。

会話と会話の間(ま)や冗談、暗黙の了解、共有する常識や知識といったものが、自然に理解する事が出来るのが「母語」です。それは、その言語の背景にある「文化や習慣」がしっかり体に染み付いてこそ会得できるもので、二語を母語とするバイリンガルはそれを習得する環境があり努力をしてきたということなのです。

バイリンガルとは、二言語話者のことです。しかし、バイリンガルと一口にいっても様々なレベルがあり、一括りにはできないことがわかっていただけたかと思います。 

バイリンガル教育は親次第

バイリンガルといっても様々なレベルがあるとわかったところで、次に理解しなくてはいけないのが、子供にバイリンガル教育をする時、どのバイリンガルレベルを目指すか親が設定し、そこまで導かなくてはいけないという事です。

環境にもよりますが、基本的に親の働きかけなしでは、子供はバイリンガルにはなりません。バイリンガル教育なしでは、子供の言語は日常生活において最も使う頻度の高い言語一つに絞られていきます。(たとえ海外で暮らすという、バイリンガル教育的には良い環境だったとしても)

 

バイリンガル教育といったとき、一番努力しなくてはいけないのは、子供ではなく親です。子供の母語形成を妨げることなく、子供に合わせた方法・タイミングで、もう一ヶ国語を習得させる道筋をつけるということは、一筋縄ではいきません。実際に子供が勉強する量の何倍も時間と労力をかけて、その方法を探り道筋を準備していく必要があるのです。 

バイリンガル教育とは

目指すべきバイリンガルのレベルに合わせて、親が子供の才能・タイミングを理解し、そこまでの道筋・方法を示すこと

といえると思います。

 

バイリンガル教育の必要性

幼少期からのバイリンガル教育はMustか

この記事を読んでくださっているということは、自分自身がバイリンガルに近づきたい、子供をバイリンガルにしたいという志をもっている人たちだと思います。

しかし、バイリンガル教育を是が非でも幼少期から子供に受けさせたほうがよいかというと、答えは「No」です

先程、バイリンガルでも母語を二つもつ人は稀と書きましたが、バイリンガルの中には母語を持たず、二言語が流暢な人がいます。私の知り合いにも、親の言語と育った環境でそうなった人がいます。その人達と日本語で話すと、言語としては完璧なのに、やはり何かしらのズレを感じます。言葉に結びついてる、習慣や文化が身についていないんですね。

子供にバイリンガル教育をしたいとなった時、子供の言語への興味・才能を見極めるのは大事です。これを見誤ると、先程書いたように母語を持つことなく育ってしまう可能性があるからです。母語はその人のアイデンティティの重要な一部です。それが失われてしまうのは避けるべきです。母語の形成を疎かにしてまで、バイリンガル教育をするのは、本当に馬鹿げていると思います

 バイリンガル教育の意味

では、バイリンガル教育はしない方がいいかというと、絶対そんな事はありません。二言語を操れることで得られる、情報の量や思考回路、コミュニケーション能力は、非常に価値があるからです。私自身は今でこそ英語がかなり高いレベルで使えますが、そうなる前と後では、自分の見ている世界 の大きさが違うと断言できます。

また、言語は幼少期から始めたほうが習得しやすいというのも、紛れもない事実です。

 幼少期からバイリンガル教育をするというのは、子供の将来の可能性を広げるという意味でも、とても有意義だと思っています。

子供を観察し、言語に対するカンがいい・言語に対して興味をもっていると感じたなら、母語の形成を意識しながら、バイリンガル教育を始めるべきだと思います。