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【ブラジル】海外子育て・乗り越えるべき3つのこと【偏見・差別・固定観念(ステレオタイプ)】

外国で子育てをするときに、考えなきゃいけないのは言語や文化や習慣の違いだけではないんだなと思ったことをシェアしたいと思います。 

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悪意のないステレオタイプ

私の娘は6歳です。日本人の母(私)と、ブラジル人の父をもちます。ブラジル生まれで、現在両方の国籍をもちます。

現在ブラジル南部の日本人がほぼいないところに住んでいます。人口の90パーセントがいわゆる白人種に分類され、日本人の私が歩くと、じろじろものめずらしそうに見られるような地域です。

娘の通う学校は、日本で言う幼稚園と小学校が一緒になっている学校で、総園児・児童数500人くらいです。アジア系は娘一人。一般的に黒人に分類されるであろう子が、二人います。※ちなみに主人は北ヨーロッパ系ブラジル人で、娘の顔は一般的な東アジア系とは違います。

先日、娘の学校で、色々な国を調べて発表するような授業が学校全体のイベントとしてありました。そんな中、小学校部門のあるクラスの「日本」紹介の写真が、いわゆる「釣り目ポーズ」の写真だったのです。みんな笑顔で楽しそうに先生含めて釣り目ポーズ!

見た瞬間かなりの衝撃をうけたのですが、私はその場では何も言いませんでした。

そもそも釣り目ポーズが、ブラジルで攻撃的なジェスチャーとみなされていないからです。 *もちろん攻撃的態度でそのジェスチャーをすれば別の話ですが

諸々の国で差別的とされるこのジェスチャー、でも、ブラジルだったら受け入れるべきなのか? とっさに私は判断がつきませんでした。

差別ってなに?偏見ってなに?固定観念ってなに?

 家に帰ってからこの問題に対処するため、自分なりに掘り下げて考えてみました。

まずは、それぞれの言葉の意味について。

1)差別とは

1 )あるものと別のあるものとの間に認められる違い。また、それに従って区別すること。

2 )取り扱いに差をつけること。特に、他よりも不当に低く取り扱うこと

2)偏見とは

かたよった見方・考え方。ある集団や個人に対して、客観的な根拠なしにいだかれる非好意的な先入観や判断

3)固定観念とは

いわゆるステレオタイプ。かたよった見方・考え方。ある集団に対していだかれる、先入観や判断。

 

分かりやすい例でいうと

【日本人は真面目でよく働くけど、話してもユーモアのセンスがなくてつまらない。だから、今度のパーティでは、日本人だけちょっとメインから離れた(良くない)席にしておこう】

「真面目でよく働く」は、日本人という集団を一括りにした、一般的な先入観。日本人にも不真面目で怠け者はもちろんいるが、日本人という集団を一括りにしている。→これが固定観念(ステレオタイプ)

「ユーモアのセンスがなくてつまらない」は、やはり日本人という集団を一括りにした、非好意的な先入観→これは固定観念かつ偏見。

「良くない席にしておこう」は、非好意的な先入観(=偏見)を実際に行動にうつしたもの→これが差別

 つまり固定観念の中に偏見があり、偏見が差別をうむ と纏めることができます。  

 差別・偏見・固定概念と戦うべきか

固定概念(ステレオタイプ)

これに関しては個人的には無視です。多かれ少なかれステレオタイプは、どの集団に対してもある程度みんな持っています。でも悪意ある固定観念=偏見でなければ、もう無視するしかないんだと思います。固定観念はある意味「無知」からくるもので、自分自身も「無知」なことがある限り、相手の無知を攻めることはできないと思っているからです。

フィリピンで勤務していたとき、フィリピン人のゲイの同僚に言われたことがあります。フィリピンはとてもゲイが多い(ゲイであることがオープンにできる)国です。 何気なく「ゲイの人は、芸能関係に才能があるよね」といったことがあります。この同僚は「普通のゲイの人の方がずっとおおいんだよ」と私に言いました。目立つゲイ(テレビとかにでて活躍するような)の人たちの知識しかなく、普通のゲイの人がいると忘れている、まさに典型的な「無知」からくるステレオタイプです。自分の発言を恥じましたが、少なくともステレオタイプであり、偏見(ネガティブ)ではなかったのが幸いだと思いました。

偏見・差別

これは、もちろん立ち向かいます。知り合いの中には、「そんなことしても、偏見・差別はなくならない。戦うだけ意味がない。自分が強くなって、気にしなければいい」という人がいます。

「偏見・差別はなくならない」というのには同意です。

でも「戦うだけ意味がない」とは全く思わないです。

今世界で、偏見・差別がゆるされている最後の砦が「アジア人」だと思っています。

黒人に対する差別は根強くあるものの、彼らはそれを覆すために戦ってきました。今でも差別は根強くありますが、少なくとも黒人に対する差別・偏見的表現をする馬鹿はほとんどいませんし、したら大炎上します。ちょっと前まで「太った女性」も差別・偏見対象でしたが、「BodyPositive(どんな体・体型であっても美しい)」運動が起こって、これもかわっていくでしょう。

アジア人は今まで戦ってこなかったんだと思っています。だから2019年にもなって、アジア人の体型や顔つき・習慣や文化をからかう、見下すことが平気で行われています。

自分のために、自分の子供のために、差別・偏見と戦うべきだと思っています。世界をよくするため、自分にできることをしたいのです。  

偏見か固定観念(ステレオタイプ)か

さて、娘の学校での「釣り目ポーズ」事件に話をもどします。

結局、私は学校に抗議しました。

1)ブラジルではつり目ポーズは、アジア人(日本人)に対するステレオタイプであり、攻撃的概念ではないことは理解している

2)しかしながら、そもそも体の特徴を誇張する表現は、すべての人種に対してするべきではないこと(黒人を模して黒塗りにするのが攻撃的とみなされるのと同じこと)。

3)体の特徴を誇張する表現は、無意識ながら「偏見」であること

の3点を主張し、学校側も謝罪し、後日生徒を集めて差別や偏見についての話し合いを持つと約束してくれました。

 ステレオタイプか偏見かの線引きは本当に難しいです。

たとえば、とある漫画の黒人キャラクターがたらこ唇だったということで、海外掲示板で炎上していました。自分はこれを偏見だとは思わなかったのですが(体の特徴を誇張しているわけではなく、普通に唇をすこしあつく描いただけだったし、そもそも唇があついのはセクシーというポジティブな印象だったので)、それを「偏見」という人もいます。

日本の某有名コメディアンが、顔を黒塗りにして黒人になりコメディを演じていました。これも海外メディアを中心に炎上しました。日本では、黒人を奴隷にしていたという歴史がないので、黒塗りじたいにネガティブな印象がないと思うのですが、やはり体の特徴を誇張するようなことは「偏見」なのでしょう。

人によっては、ブラジルで釣り目ポーズをすることは、許容範囲なのかもしれません。でも、私にとっては特定の人種の体の特徴を誇張することは「偏見」の範囲だったので、戦うことにしたのです。

 

全ての差別や偏見は無知からきます。私も知らずに差別に加担している時もあるかもしれません。

常に学ぶ事を忘れない事、差別にあったらちゃんと抵抗する事、娘のためにもしっかりやっていきたいです。 

www.viagemvida.com

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