先日家の一部改築が終わり、ついでに家の中を整理していたらこんな本がでてきました。
「こどもずかん 英語つき」
私はブラジル在住で、娘が1人います。6歳なのでこの本はもう使っていません。
日本にいる私の母が私の娘のためにわざわざ日本から送ってきてくれたのです。
久しぶりにこの本を開いたのですが、「あ、だから日本人は英語が話せないんだな」と思ってしまいました。
この図鑑は、幼少期用のずかんとして本当にすばらしいです。紙も分厚く幼児にもめくりやすいですし、各ずかんの分量もちょうどいいです。絵もかわいらしく、親子でコミュニケーションをとりながら言葉を学んでいくのに本当にいいです。
娘には日本語とポルトガル語のバイリンガル教育をしていますが、ブラジル在住ということでどうしてもポルトガル語が強くなりがちな中、本当に重宝したのを覚えています。
問題は、このずかんの英語のカタカナ表記です。
例えば犬Dogがドアーグ、、、、もう何これって感じです(泣)
この本を槍玉に上げてしまいましたが、これ以外にもたくさんの例があります。
カタカナで英語発音を表記するのって、間違いなく限界があります。
だって日本語にはない音なんですから。
幼少期から英語を学んでほしいという親の気持ちもわかります。
でも、これじゃあ全く意味はないです。
今回は初期英語教育にはどんなことをするべきなのか、考察していきたいと思います。
本当の音を聞かせるべき3つの理由
1)幼少・小児期の英語教育のキーは「音」の習得
幼少・小児期の英語教育のアドバンテージってなんだと思いますか?
子供だからすぐに言葉を覚える?それは確かにそうだと思います。
ただ考えてみてください。幼少期の言葉数って母国語でもそんなに多くないですよね。母国語レベルに外国語が話せたとしても、それはあくまで子供レベルですし、母国語以上に外国語を習得するなんて、無理な話です。子供が習得するような言葉の数は、大人になってからでも十分記憶できます。
幼少・小児期の英語教育のアドバンテージは間違いなく「音」の習得です。
言語学者によって意見に差がありますが、15歳を言語の習得臨界期と考える人がかなりいます。これは15歳くらいを目安に、勉強なしに母国語と同じように言語を習得していくことができなくなるという考えです。
私はこれに強く同意します。
なぜかというと、この時期を目安に母国語にない「音」が聞こえなくなるからです。
有名なところでは、日本人は「R」と「L」の区別・発音ができないといわれていますよね。それは、日本語ではこの音は全て「ラ行」の音になってしまうからです。全く同じ音に聞こえてしまうからです。
文法も言い回しや単語は大人になってからいくらでも勉強できます。
でも、この「音」だけは、「大人になってから」というのが本当に難しいのです。
2)日本人にとって「音」が英語学習の一番の手助け
私自身の例です。
私(日本人・両親も日本人)は日本語が母国語で、英語はネイティブレベル、ポルトガル語は映画等は時々理解できないことがあるものの、ビジネスレベルで使うことができます。
生まれは日本で、小学校6年間は親の仕事の関係でインドで過ごし、高校の3年間はアメリカへ留学しました。その後社会人になり、会社命令でフィリピンで4年間勤めたあと、オーストラリアへ移住し、そこで出会ったブラジル人と結婚しブラジル在住です。
実はインドの6年間は、現地日本人学校に通っており、(安全のため)ほぼコンドミニアム内で過ごし、出かけるときは常に両親と一緒という状態でした。中学校に入るとき日本に帰りましたが、周りは帰国子女ということで私にぺらぺらの英語を期待していましたが(笑)、残念ながらそうではありませんでした。
そんな私ですから、高校でアメリカ留学したときに英語の壁にぶちあたったのは言うまでもありません。
ですが、同時期に同じ高校に入学したほかの日本人学生と比べて、私の英語習得速度は間違いなく速かったです。
私が頭が良いということではありません。何が他の日本人学生と違ったかというと私は日本語にない「音」の区別ができ、それを「発音」することができたからです。
というのもインドの日本人学校で、毎日最低2時間はネイティブ(アメリカ人)による英語の授業があったからです。
先生は私たちに全く文法を教えませんでした。先生がやっていたのは以下のとおりです。
1)ひたすら写真やイラストを見せ先生の発音を繰り返させる
2)ある程度単語が増えてきたら、その写真やイラストに関連した単語を発音させる
※バナナのイラストならbananaだけではなくfruit(s)/eat/sweet等
3)先生が生徒からでてきた単語をつなげて簡単な文を作り、生徒はそれを真似して発音する
※ A banana is fruit/ This banana is sweet 等
そして、これを繰り返すと2)の項目が写真やイラストに関連した「単語」ではなく「文」として説明できるようになります(もちろん文法間違いは多々あり)。それを先生が間違いを訂正した文を発音し、生徒はそれを真似していきます。
さらにこれを繰り返すと2)の項目が「文」ではなく「文章」になっていく、、、
という感じでレベルアップしていきます。
※あとは、英語の音楽を聴いたり歌ったりしていました。
ここで重要なのは、ひたすら「音」を聞いてそれを「発音」したということです。
インドから帰った中学校3年間で、この時期ならった単語や言い回しは殆ど忘れていましたが(笑)ひたすら練習させられた「音」だけは私の中にのこっていたのです。
これは私の中で英語習得の上での大きなアドバンテージになりました。そしてその時に気付いたのです。
日本人が英語を習得するとき、絶対に壁になるのが「音」であると。
アメリカの高校で一緒だった日本人留学生はみんな真面目に勉強していました。非常に優秀だったと思います。ライティングやリーディングなら、アメリカ人のただ英語がしゃべれるだけの子たちより優秀なことも多かったです。
ただ「音」が彼女達の足を引っ張ってたのです。
3)「音」以外は大人になってからでも大丈夫
日本人は頭がいいです。人生の半分以上を海外で暮らしていますが、日本の基礎教育のレベルは高いなと常々感じています。
フィリピンでは日本の会社ということでたくさんの日本人と働きましたが、ほぼ英語0でやってきた駐在の日本人たちも、数年でかなりの単語や文法を覚えていました。
もともとの教育がしっかりしている日本人だからこそ、こんなに短期間で文法や単語が頭に入るんだなと感心したのを覚えています。
ただ、やっぱり残念すぎたのは「音」、、、(泣)
本人たちはがんばって発音しているつもりでも、そもそもその「音」が理解できていないのだから、発音ができるはずないですよね。
子供のために英語教育を考えるのであれば、本当の「音」を聞かせてあげることが第一歩です。
子供の英語耳を鍛えるには
色々な方法がありますが、個人的には本を親子で読みながら英語の音に触れていくのが一番いいと思います。
(Youtubeでただで英語の音に触れることもできますが、そもそも映像を幼少期の子供に見せっぱなしにするのがいいのかというのもあるので、、、)
本であればおすすめはこちら
日本の英語教育で無視されガチなフォニックス。
発音とスペルを体系的に学ぶことができます。大人のやり直し英語でもフォニックスは必ず抑えましょう。
値段ははりますが、こちらのドラエモンも便利でいいなと思います。見たところ分量も構成もよさそうです。親が一緒じゃなくてもタッチペンで勝手に音の確認もできますし。
そろそろ娘にも英語を教えてもいいかなと思っているので(ポルトガル語も日本語もかなりしっかりしてきているので)、これを購入しました。あとはブラジルに届くのを待つだけなので、届いたらレビューしますね。
以上です。
いやしかし、日本って英語教材の豊富さがすごいですね、、、ブラジルの子供用英語教材なんて、こんなに豊富に種類ないですもん。
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