性犯罪者への「化学的去勢」法案否決とは?
(2013年当時の)連邦副議長と(※)ジェイル・ボルソナロ(PSL)によって作成された、強姦等の性犯罪を犯した犯罪者に「(※2)性的欲求を抑制する化学的治療をする」ことを目指した法案。
※ボルソナロは2019年現在、ブラジル大統領
※2=化学的去勢。刑務所出所後、一定期間ドラッグを投与し、性的欲求もしくは性的能力を低下させる。ドラッグ投与をやめれば、性的欲求等ももどる(とされる)
2018年10月に上院で否決された。法律・心理学・精神医学・神学の分野での専門家からの支持が得られなかった(※3)ことが、法案否決の大きな動機となった。
※3=人道的観点、再犯防止効果への疑問(=肉体的欲求をさげても、精神的な欲求が正されない限り、再度性犯罪をおかす可能性があること)、神学的にキリスト教の教えに反する等
Proposta de castração química é inconstitucional e reprovada por profissionais da saúde
ブラジル人の反応
Rô
これらの「専門家」の家族が強かんされた場合、私は彼らが意見変えるかどうかを確認したいです!
賛成11反対1
Jaqueline
言い換えれば、彼らは虐待者や強姦犯を患者として扱いたいと思っている(※4)ということですよね。でも、実際には、これらの個人を擁護する人々は虐待を受けていなかったり、苦しんだ自分の親戚を持っていなかったりするんじゃないでしょうか。そうでなければ、この法案の否決を擁護することはありえないですよね
※4=化学的去勢といった肉体的に作用するものではなく、心理学や精神医学の分野からのアプローチで、性犯罪者を正しく導くことが再犯防止に効果的で現代的な手段であるとする専門家が多かったことをうけて。
賛成9反対1
Rogério
もううんざりだ。この左翼の連中め!
強姦魔を守れるなら なぜ強姦された女性を守れないの?
議論の中では、私たちは強姦魔を擁護する側から見たら、敵ってことだよね。それでも私たちは、女性たちが再び強姦されないように、女性たちを守ろう!
哀れな強姦魔、、、彼らは強姦をやめることなんてできないんだよ。(=強姦する欲求をコントロールできない)
(その点で)彼ら強姦魔だって社会の犠牲者だ。
賛成7反対2
Daison
いままで何人の人が無実の罪で不当に逮捕されたか、考えたことがありますか。そんな人たちも、そのような罰(化学的去勢)を受けることを考えたことがありますか。
また強姦は、必ずしもペニスを使って行為を行う必要はないです。強姦犯は、セックス自体ではなく、他人の征服することに喜びを感じています。(そうでなければ、かれは自分自身を満たすため、売春宿の女の子を求めるでしょう)#ELENAO(※5)
※ELENAO=ブラジル大統領選で、左翼側が使ったスローガン。(ELE=彼、NAO=否定の意。)右翼側はその反対のELESIMをスローガンとした。(ELE=彼、SIM=肯定)この法案は、ブラジル現大統領で極右のボルソナロによって発案されたものだったため、ボルソナロもしくはボルソナロに関連するものを否定するときは、ELENAOとつける。
賛成2反対6
Daniel
>Daison
「ELENAO(=左翼)」は安易だね。あえて言うけど、その後、誰が、そのオプション(=化学的去勢ではなく別の方法で性犯罪者を更生させる)について、良いことを言うのを聞いた?そのオプションは受け入れられた?疑わしいね!
Josué Matador
フェミナチ(※6)と馬鹿左翼のみんな、女性のために戦ってくれてありがとう!(皮肉)
※6=フェミ二ズムとナチズムを組み合わせた言葉。ブラジルでは、フェミニズムの活動が活発で、時に行き過ぎなことも多々あることから、フェミナチと呼ばれることも。
Maria do Carmo
くそったれ左翼!法律を変えさせて!もしハダジ(※7)が大統領になってたら、彼だって変えてたでしょう!
※7=大統領選で、現大統領のボルソナロの最大のライバルだった人物。左翼。
ブラジル大統領選は、まさにボルソナロ派(右翼)とハダジ派(左翼)と、ブラジルが真っ二つにわかれた。
賛成5反対2
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ブラジル人の反応を見て
この法案に関しては、発案者がブラジル現大統領で極右のボルソナロだったことが、さらに議論に拍車をかけてる気がします。
上でも少し書きましたが、ブラジルは大統領選挙以降、右翼と左翼で国が2つに別れています。左翼はボルソナロに関することであれば、とにかく何が何でも叩くので、化学的去勢の効果の是非については、全くスルーされている印象です。
ネットコメントでは、ほぼ法案が否決されたことについて、文句を言っている人が殆どですが、ネットコメントを残す人は基本右翼側思想の人が多いので、現実でこの話をすると、否定・肯定派は半々といった感じです。
個人的には、化学的去勢は賛成です。確かに、精神的な観点から性犯罪にアプローチするのも必要だと思いますが、化学的去勢をすることによって減らせる犯罪もあると思うからです。
しかし、ここ最近の右翼対左翼の不毛な戦いは、見ていて本当にウンザリです、、、(泣)