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ブラジル移住・長期滞在 知っておきたい10のこと

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日本から最も遠い国、ブラジル。

皆さんはどんなイメージを持っていますか。サンバ・カーニバル・サッカーといったポジティブなイメージと、治安が悪いといったネガティブなイメージもあるかと思います。

今回は、ブラジル在住の私が思う、ブラジル移住・長期滞在する際に知っておきたい10のことをまとめました。

知っていると知っていないとでは、心構えがぜんぜん違うと思います。

ブラジルは天国でもなければ地獄でもありません。この記事を読んで、移住したい人はもう一度本当に移住したいのか、長期滞在であれば、どんなことに気をつければよいのか、考えるきっかけにしていただければと思います。

1)ブラジルはめちゃくちゃ大きい、ブラジルの人口は多い

そんなこと知ってると言われるかもしれません。でも、私が日本帰国時に日本人の友人たちとブラジルの話をしていて感じるのが、「日本人はブラジルの大きさを理解していない」といこと。

「ブラジル人って~~だよね」「ブラジルって~~って感じ」という文言をよく聞きます。

何もかも平均的・均質的で国土もそこそこの大きさの日本では、「一般的」な日本・日本人像は比較的容易に語ることができると思います。

そんな日本だって、やっぱり地方によって特徴がありますよね。東京の人と沖縄の人だとそもそも気質が違います。方言だってあるし、食べ物だって違います。天候だって違いますよね。

ブラジルだってそうです。しかも、それが日本の国土の約23倍、人口は約2倍。想像してください、どれだけ地方によって差があるかということを。

まず、ブラジルを語る上で理解すべき最初のポイントは、「一般的」なブラジル論を語るのは非常に難しいということ。

だってブラジルって世界第5位の国土をもち、人口も世界で5番目に多いんです。地方によって住む人種に偏りもありますし、天候だってぜんぜん違いますし、食べ物や方言も日本以上に地域差があるんです。

住んでみたら、いい意味でも悪い意味でも「これがブラジル!?」って場面に出くわすはずです。そんな時、ぜひこの事を思い出してください。あなたが思い描いていたブラジルとは違うかもしれませんが、それもブラジルの一部だということを。 

こちらに来る前に「ブラジルってこうだ!」という先入観は捨てたほうが楽に生活になじめると思います

2)ブラジルは黒人の国ではない~ブラジルは人種のるつぼ

ブラジルって聞いたとき、多分黒人のイメージをもっている人が多いのではないかと思います。サッカー選手やリオのカーニバルのダンサーといった、日本のメディアにでてくるブラジル人って、肌が黒いもしくは褐色の人が多いので、そのイメージがついたのだと思います。

ちょっとデータが古いですが、2010年のブラジル国税調査を見てみましょう

 

白人系ブラジル人47.73%

混血(ヨーロッパ・先住民・アフリカ系の混血)43.13%

黒人系ブラジル人7.61%

アジア系ブラジル人1.09%

先住民(インディオ)0.43%

参考Largest Ethnic Groups In Brazil - WorldAtlas.com

 

ちょっと意外な感じがしませんか?ブラジルで大多数をしめるのは、白人系なのです。

これには、ちょっとからくりがあります。1)の記事で少しふれましたが、ブラジルは国土が大きく、地方によって住んでいる人種の偏りがかなりあるのです。

基本的には北にいくほどアフリカにルーツをもつ黒人系が多く、南にいくほどヨーロッパにルーツをもつ白人系が多くなります

日本でもおなじみのサンバは、アフリカにルーツをもちます。必然的に、サンバ=黒人系が多くなります。

ブラジルといえばサッカー。サッカー選手には褐色の肌の人が多く、日本の多くの人はそれを「黒人」と認識していると思います。これは間違いです。褐色の肌の人の多くは、混血のブラジル人です。

ところで、オーストラリアやアメリカ、その他他民族国家に住んだことがある人であれば、混血が43.13%を占めるって凄いことって理解できると思います。ブラジルは世界で一番混血が進んだ国といわれていて、肌の色による差別はほとんどありません。私が住んでいたオーストラリアやアメリカでは珍しい黒人+白人のカップルもたくさんいます。

ブラジルに移住・長期滞在したときに「差別されたらどうしよう」という心配があるかもしれませんが、「肌の色」からくる差別はそんなに心配しなくても良いと思います。 

3)超格差社会~生活基盤をとにかく早く作りましょう

ブラジルは超格差社会です。フルタイム(週44時間)で働いて、最低月収750レアル(約25000円)しか稼げない人がたくさんいます。その一方で、その100倍の月収を得ている人もかなりいます。

生活レベルは当然雲泥の差です。生活レベルの差は教育レベルの差にも直結します(ブラジルは公立校の教育レベルが低いので)。教育レベルの差が、キャリアの差になり、収入の差になり、また生活レベルの差になり、、、という悪循環が存在します。貧しい人は貧しいまま、金持ちはさらに金持ちになっていくのです。

日本の一般的な「普通の暮らし」は、こちらブラジルでは上流階層の暮らしといえます。

もしも、あなたが日本の会社員(もしくは日本と同程度の収入が確保されている)としてブラジルに長期滞在するというなら、全く問題ありません。物価はそれなりに高い(以下記事4を参考)ですが、不自由なく快適に暮らせるでしょう。

でも、もしあなたが一念発起して1からブラジルで生計を立てたいというのなら、それなりの覚悟が必要です。ブラジルで快適に暮らせるかどうかは、まずはお金が左右します。

日本人から見て、最低限の暮らしを確保するのに、月収2000レアルは必要だと思います。2000レアルもらえる仕事って、ブラジルだとかなりいい仕事に分類されます。

個人的には、ブラジルに移住するのであれば、何かビジネスを始めたほうが良いと思います。雇われていても、日本人的な感覚からいけば大したお金はもらえません。日本人の仕事の能力や勤勉さ、そしてビジネスのアイディアがあれば成功するのは(大変は大変ですが)可能です。

そしてなにより、まだまだブラジルにはチャンスがあります。ブラジル経済は赤信号ですが、ブラジルは内需が大きく、ブラジル人相手の商売はまだ入り込める余地があります。

ちなみに私も開業組みです。最初の1年目はもうがむしゃらに働きましたが、軌道にのった今は、かなりいい暮らしをすることができています。日本では考えられなかった、広い庭付きの家もたてました。(人件費が安いので)お手伝いさんを雇って家のことをしてもらっているので、仕事以外の時間は子育てに集中することもでき、家族の時間を十分にもつことができています。

格差社会に関しては、以前に記事を書いているのでこちらもぜひ 

viagemxvida.hatenablog.com

 4)物価はそれなりに高い

ブラジルって、物価が安いイメージがありませんか?

それは大いに間違っています。総合的に見て、ブラジルの物価はそれなりに高いです。

まず、本当に最低限の生きていくうえで必要な物・サービスは安いです。

衣食住の費用を考えて見ましょう。

食費は大体日本の30%くらいで済むと思います。(もちろん、全て日本食材を使って日本料理ばかりを作っていたら、かなり高くなりますが)

家賃も、同じような条件で比べれば、ブラジルの方がかなり安く、日本の大体40%くらいだと考えればよいと思います。

サービス関連も安いです。サービス関連とは、美容院やネイルサロン、家事手伝いや車の修理等「人がする仕事」に関しては日本の約30%くらいで済みます。基本的に人件費が安いので。こちらでは、中流階級以上は、お掃除やお料理をしてもらうお手伝いさんがいるのが普通です。

生きていくうえで必要じゃないものは、日本と同じかそれ以上に値段が高いです。

これは何もぜいたく品のことを言っているのではありません。

例えば服飾費。本当にシンプルなもの(ブランドものではない)で、大体日本と同等の値段します。これにブランドがつけば(たとえ日本では大したことのないファストファッション系であっても)、2倍3倍になるのは珍しくありません。

車。公共交通機関があまり発展していないブラジルでは車は個人的に生活必需品だと思うのですが、車も高いです。例えば日産マーチ、こちらでも売られていますが、日本と同じ値段で、内装がさらにちゃちくなっています。※見栄っ張りなブラジル人気質にあわせて、外装は立派でも内装がちゃちい仕様になっている車は多いです。

娯楽関係に関してはもっとひどくて、例えばPS4は約20万円!世界で一番高いです。

娯楽品に関しては、輸入関税や消費税が高いというのももちろんこの値段の原因なのですが、それ以上に関係するのが、3)の格差社会で触れた「格差社会」というゆがんだ社会構造です。

お金もちはいくら高くてもほしかったら買う(買える)し、そうじゃない人はいくら安くしても買うことができないので、こんな馬鹿げた値段になります。

 ブラジルの物価が安いことを期待していると、かなりショックを受けると思います。

5)確かに治安は悪いけど、普通に生きていける

 ブラジルといえば、治安の悪さで悪名高いです。統計を見ると、2016年の殺人発生率は、人口10万人あたり29.53件(世界ワースト12位)。日本が人口10万人あたり0.28件であることを考えると、とんでもない数字だとわかりますね。

で、実際済んでみてかんじることは「確かに治安は悪いけど、でも普通に生きていける」ということ。

何回も書いていますが、ブラジルは大きな国です。格差も激しいです。北と南、海岸部と内陸部ではぜんぜん状況も違います。基本北に行くほど治安が悪く、南に行くほど安全です。また都市部(海岸部)に近づけば近づくほど強盗犯罪件数は増えていきます(人口が集中するので当然ですね)

何がいいたいかというと、統計上は確かに治安が最悪ですが、統計上の数字と実際の生活で感じる治安は全然違うものだということ。

ブラジルは平均でくくれる国ではありません。治安が良いところ、悪いところの差は日本では考えられないほど大きいです。

治安が悪いところに近づかず、以下守るべきことを意識していれば、そんなに危険を感じることはないはずです。

①夜は一人で出歩かない。出歩く必要があれば、車(もしくはタクシー)で、交通量の多いところを選ぶ

②昼でも街中で携帯等をボーっと使わない。バッグは前にもつ(目のみえるところに持つ)

③スラム街(ファベラ)には入らない・近づかない

④(お子さんがいらっしゃるなら)子供たちだけで、外で遊ばせない。遊ばせたいなら、コンドミニアムの敷地内等、部外者がはいってこれないところにする。学校の送迎は、親が必ずする若しくは学校指定の送迎バスを利用する

⑤戸締りは常にしておく

 日本のようにのほほーんと暮らすことはできませんが、一般的な海外旅行の時に気をつけることを意識していれば、ちゃんと生活できますよ!

6)ブラジルの医療はそんなに悪くない

ブラジルは、公共の病院があり誰でも無料で利用することができます。(旅行者でも!)質に関しては、地域差がありますが、少なくとも某No1国のように、先進国でありながら国民皆保険の存在しないとんでもない状況ではありません。時間はかかりますが、ちゃんと診察してもらえますし、緊急だったらちゃんと優先して診てもらえます。最低限の医療施設・制度は整っています

※地域差と書きましたが、これも「北にいくほど悪く、南にいくほどいい」と考えてください。

中流層以上は公立ではなくプライベートの保険に入って、私立の病院にいくことが多いです。当然質は私立の方が良いです

会社の命令で長期滞在でブラジルにくるなら、まず間違いなく会社がプライベートの保険を契約して私立の病院にいくことができるはずので、心配する必要は全くありません。(むしろ私立病院では、患者様は神様お客様なので、日本よりも良いおもてなしを受けることができます)

移住組みは、早く生活基盤を作って私立病院に行けるよう努力しましょう。でも、仮にいけなくても公立病院でなんとかなります(笑)

7)ブラジルの教育レベルは酷い

日本で時計が読めない、東西南北がわからない、近隣諸国の名前がいえない人ってほとんどいないですよね。ましてや、自分の国がどこにあるかわからない人ってまずいないんじゃないでしょうか。

ここ、ブラジルにはそんな人たちがたくさんいます。

大多数の人が通う公立学校の質の低さに関連しています。

OECD調査の結果、OECDの国+ロシア・ブラジル南アフリカを加えた、学習到達度(Student skills)のランキングでブラジルは最下位から2番目です。※学習到達度とは、15歳時点の「読解力」「数学力」「科学力」です。

参考Better Life Index - Edition 2017

ブラジルの教育システムは日本と少し違っていて、基本学校は朝・昼・夜の3部制です。生徒は家庭の状況にあわせて、どれかの時間帯を選んで学校に行くことになります。3部制なので、学校に滞在する時間はわずか1日4時間ほど。なおかつ夏休み冬休みなどの休みが長く、1年のうち9ヶ月しか学校に行きません。公立校では、先生のデモ(給料の賃上げ・労働環境改善)があって、学校が休校になることもしばしばです。

とにかく、勉強時間がたりてないのです。

はっきりいいます。ブラジルの教育レベル(特に公立)はひどいです。

長期滞在組みも、移住組みも、子供はぜひ私立のまともなところに入れましょう。

8)英語は通じません

 

ブラジルで英語が通じることを期待しないでください。飲食店やスーパー、美容院といった日常的によく行くところでは、まず英語を話す人はいません。

ブラジルで英語が話せるのは、基本的に中上流階級以上の人です。そういった人は、サービス業に従事していません。

でも、あなたが英語が話せる(もしくは英語の知識がある)のであれば、ポルトガル語を学ぶのはかなりらくです。文法も良く似ていますし、単語もそれなりに似ています。

9)ブラジルは食べ物が本当においしい

これ、食いしん坊な私にとっては、本当にうれしいことでした。

ブラジルの食べ物、本当にレベルが高いです。

ブラジルの前に住んでいたのがオーストラリアだったのですが、いかんせんイギリスという食事に関しては悪名高い(笑)国から生まれた国だけあって、値段のわりに残念なことが多かったのです。

でもブラジルは、ヨーロッパの食事がおいしい国からの移民が多く(イタリアやフランス・スペイン・ポルトガル等)、それに中東やアフリカ移民が混じって、ユニークかつおいしい食文化を形成しています。レストランはもちろん、スーパーで売られている食材もレベルが高いものが多いです。

サンパウロやクリチバであれば、日系コミュニティーが社会に根付いていますので、まともな日本食レストランもあります。日本の食材にもこまることはありません(高いですが) 

食べ物が口に合うか、、、なんて心配はブラジルでは皆無です。ブラジルは食べ物のおいしい国です

めちゃくちゃ期待しててください。

 10)自分が中心

良くも悪くも、基本ブラジル人は「自分が中心」になって物事を考えます。日本人のように「他人に迷惑をかけない」なんて事は気にしません。とにかく、自分がハッピーであることが大事で、それが最優先です。

一見するとすごい自己中のように感じますよね。それは否定できません。でも、ブラジル人は自分がハッピーでいるために他人にしばしば迷惑をかけるけど、他人から迷惑をかけられても大して気にしません。迷惑をかけられてそれを気にしてストレスを感じるより、楽しいことをさがしてハッピーでいるほうにエネルギーを使います

ブラジルに行って、まず最初にストレスを感じるのがブラジル人との付き合い方。それもそうです。だって基本が「自分」が中心のブラジルと、「他人」が中心の日本、衝突するに決まっています。

解決方法はただひとつ、自分もそんなブラジリアン思考になることです。

とにかく「自分」がハッピーになることが最優先。実はこれって大事だと思います。ハッピーな人の周りにはハッピーな人が集まります。

「人生は楽しむもの」を全力で体現するブラジル人たち

楽しいときには全力で笑って、悲しいときには全力で悲しむ。感情が暴走して、けんかになることもありますが(笑)、ブラジル人たちから学ぶことがたくさんあるはずです。

 

 その他、ブラジル生活に関してこちらの記事もどうぞ 

viagemxvida.hatenablog.com