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日本メディア・ボルソナロ大統領がコロナで「日本を皮肉」は完全なる誤報【ブラジル政局知っておきたい5つのこと】

先日、ブラジルツイッターで#Japão(日本)が政治トレンドにあがりました。

オリンピックが延期になったからという事ではありません。

ブラジル・ボルソナロ大統領が日本の花見風景をツイッターでシェアし「これが日本のウィルス。隔離政策が続けば混乱とウィルスが続くだろう」とコメントしたのです。

 これはボルソナロ大統領が、緊急事態宣言を出し営業停止等の隔離政策をとる州政府に対し、「隔離せず生活する(普段どおり行動する)日本を見習おう」という意味で発信したものです。

ところが、日本メディアはこのように報道しました。 

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「これが日本のウイルス」ブラジル大統領が日本の花見を巡り皮肉 - ライブドアニュース

※現在は概要のみ表示になっており、記事は削除されています。

ブラジル大統領が、日本の花見を巡り皮肉を言ったと。

正直、ボルソナロ大統領の発言だけを見ると、皮肉なのか賞賛なのか分かりづらいところはあると思います。

でも、記事を掲載する前にほんのすこーーーーし、この言葉の背景(=ブラジルの政局)を確認すれば、この言葉が賞賛の意味をもつとすぐに分かるはずです。

この記事の載せ方を見ても、いかに日本のメディアの取材がゴミレベルであるか、まともに情報の意味すら伝えられていない事がわかります。

今回は、そんなブラジルのコロナを巡る政局と、日本のマスコミが(少なくとも諸外国の事情について)いかにレベルが低いかについて書いていきたいと思います。

マスゴミって言われてもしょうがない気がする、、、

コロナを巡るブラジルの政局

1)ブラジルの現政権は極右=ボルソナロ政権

ブラジルの現大統領は極右のボルソナロ大統領です。南米のトランプとも言われる強硬派で、本人も元軍人です。今回のコロナを巡っても、「私のような(元軍人)人間にとっては、コロナなんて風邪と同じ」と言ったり、問題発言が多い人物でもあります。

そんな問題が多い人物なのに、なぜ大統領になれたのか?

それは前政権PTに対して、嫌気を抱く人も多かったからです。

前政権PTは左派です。低所得者への手厚い援助、人権・環境・芸術関係等の団体へ手厚い支援を行っていました。

支援・援助といえば聞こえが良いのですが、それを「支援獲得のためのばら撒き」と捉える人もたくさんいました。懸命に仕事をして、税金もきちんと納めている中所得者以上にはなんの恩恵もなく、また、人権・環境団体への支援もいわゆる反PTとならないための「口封じ」と捉える人も多かったのも事実です。

その結果、前回の大統領選ではブラジル全体が右と左で真っ二つにわかれることになり、僅差でボルソナロ氏が大統領に選ばれました。

2)ボルソナロ政権の公約「経済・治安の向上」

大統領選のとき、ボルソナロ氏は様々な公約をしましたが、その核となるのが「経済・治安の向上」です。

治安は、ボルソナロ政権になってから向上してきています。治安の悪いファベラ(スラム街)への積極的な治安部隊投入等も功が奏しているのです。(そのかわり、治安部隊投入により、無関係で罪の無いファベラの住人が治安部隊の作戦に巻き込まれて亡くなるという事件もたびたび起きています)

もう一つは経済の向上。インフレを安定させ、雇用を創出し、再びブラジル経済を上向かせることは大統領の重要な公約です。

そんなボルソナロ大統領にとって、コロナ騒動で経済をとめることは絶対に避けたいことなのです。だからこそ、今回の発言「隔離せず生活する(普段どおり行動する)日本を見習おう」につながったのです。

ほんのすこーし、ブラジルの政局を調べるだけでも、大統領の言葉の真意がわかりますね。

この「ほんのすこーし」調べることすらせず、報道してしまう日本のマスコミのレベル。すごいです。まさに先進国ですね(皮肉)

3)州政府は左派も多い

さて、そんな隔離政策に反対姿勢をとる大統領ですが、ブラジルでも3月中旬から州単位で隔離政策が行われています。

それは州知事が独自で政策をうちだし実行しているからです。

顕著なのは、サンパウロ州。サンパウロ州の知事はドリア氏で、次期大統領選のボルソナロの一番の対抗馬とされている人物です。そして、左派PSDBです。(ドリア本人はPSDBは左派ではなく中立であると述べていますが、実際はかなり左よりです)

サンパウロ州はこの隔離政策を4/30まで行うと宣言しています。

もちろん、サンパウロ州のコロナ感染状況はブラジルで1番深刻で、隔離政策は当然だと思います。※ただし、隔離政策を出しておきながら、その経済的保障は全く打ち出せてないのも実情です。

ここでも右対左の構図がみてとれ、ボルソナロ氏は「ドリア氏はサンパウロ経済=ブラジル経済を崩壊させる」と非難していますし、ドリア氏はボルソナロ氏のコロナ軽視の姿勢を非難しています。

4)州政府に隔離政策をする権限は実はない

 州単位で緊急事態宣言をだし、隔離政策を実施していますが、実は州知事(政府)隔離政策をする権限は実はありません。

大統領命令さえだせば、この緊急事態宣言は一気に解除されます。

隔離政策を非難する大統領がなぜそれをしないのか?

隔離宣言をした後のコロナの感染拡大を自分の政権のせいにされるのを恐れているからです。

大統領は州政府を非難することで、「自分はちゃんと経済のことを考えているのに、州政府がめちゃくちゃにする」という姿勢をとれますし、州政府は大統領の政策に反対することで「国民のことを考えていない大統領」と非難できます。

5)政府と州で足並みが揃っていない!

結局何がいいたいかと言うと、国と州で足並みがそろっていないのがブラジルの現状です。

国民のことよりも、まずは自分が支持されることを優先しているのです。

この足なみの揃わなさのとばっちりは、、、もちろん国民が受けるんです。

日本も、経済的支援として牛肉券やらお魚券やら発行されるかもなんて情報もあり、日本に住んでいる皆様には「コイターダ(かわいそう)」という気持ちでイッパイですが、こちらブラジルも負けず劣らずかわいそうな事態になっています。

まとめ

さて、今回は簡単にブラジルのコロナを巡る政局をまとめました。

ブラジルの政局って、本当に右と左で真っ二つなので、わりと理解しやすいのですが、それすら理解できない日本のマスコミってすごいですね。

ちなみに、日本のマスメディアの海外関連の情報ってものすごーく弱いです。

昨年、アマゾンの大火災があったのは覚えてますか?日本から発信されたオリジナルの情報ってほとんどなかったんですよ。ほぼ全てがBBCといった海外メディアの翻訳・まとめのみ。主要メディアでも、南米の駐在員がいない・もしくは1名2名といった状況ですから。

もしも、海外関連のニュースで正しい事を知りたいのであれば、日本のマスメディアはあてにしないことをお勧めします。 

 

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