ブラジルに来て早7年。ブラジルにいる日本人からは、「ブラジルの物価は日本並に高い」とも「ブラジルは安くて生活しやすい」という両方の声が聞こえてきます。
では実際のところどうなんでしょうか。
この【ブラジルの生活費】シリーズでは、一ヶ月の生活費を衣食住他、日用雑貨・教育費等に細かく分けて、だいたいブラジルの生活費は実際にいくらぐらいかかるのかみていきたいと思います。
第五弾では、家を購入する場合の費用はいくらか説明しましたが、今回は家を借りる場合の費用はいくらくらいかかるのか
第八弾は住居費②~家賃編です。
ブラジルで家を借りる場合
ブラジルの家事情
日本でも東京23区の賃貸料と、長崎の田舎のほうの賃貸料がまったく違うように、ブラジルでも、地域によって全く賃貸料が違います。
また、一口に家といっても、1000㎡をこえるプールつきの高級住宅から狭小住宅まで本当にさまざまです。
ちなみに、ブラジルでいう狭小住宅とは(建物面積)100㎡未満の家です。日本では(建物面積)100㎡未満の家なんてたくさんありますが、こちらブラジルでは(都心以外)ほぼみかけません。
また、入居時に敷金礼金といったものを払う習慣はありません。
ブラジルの家の賃貸料
都会の場合
サンパウロ都心にあるモロンビ地区の一般的な住宅の賃貸料を見て行きましょう。
サンパウロのモロンビ地区は、日本でたとえるところの東京都世田谷区といった位置づけで、エリア内に良い感じのレストランやショップがあり、都心へのアクセスも良好で、高級住宅街といった感じです。当然家賃もブラジルのなかでかなり高いほうになってきます。
モロンビ地区の一般的な住宅は
- 120㎡(建物面積)
- 2部屋
- 1マスタールーム(バス・トイレつきの部屋)
- 1バス・トイレ
- 1ガレージ(2台駐車)
- 1サービスルーム(洗濯機等ランドリー関係の部屋)
- 庭(シュハスコ=ブラジルBBQエリア付)
といった感じです。他のエリアと比べると、庭が小さいことが多いです。
こういった家で、約2500レアル(=約75,000円)/月です。
田舎の場合
ブラジル北部、アクリ州の州都リオブランコの一般的な住宅の賃貸料を見て行きましょう。アクリ州は、ブラジルの州の中でもネタ的に扱われることが多く、アクリってブラジルだったけ?等々、アクリ出身者はからかわれることが多いです。要は田舎でマイナーな州というかんじです。
アクリ・リオブランコの一般的な住宅は
- 120㎡(建物面積)
- 2部屋
- 1マスタールーム(バス・トイレつきの部屋)
- 1バス・トイレ
- 1ガレージ(2台駐車)
- 1サービスルーム(洗濯機等ランドリー関係の部屋)
- 庭(シュハスコ=ブラジルBBQエリア付)
- プールがついている家も多い
といった感じでしょうか。上記都心のモロンビ地区とあまり変わらないように見えますが、庭の大きさが全然違うことが多いです。また隣の家との間隔もモロンビ地区よりもずいぶんゆったりしているところが殆どです。
こういった家で、約1200レアル(=約36,000円)/月です。
家賃、日本とブラジルどちらが高いの?
モロンビ地区と比較的立地条件等が似ている、東京都世田谷区の一戸建て賃貸料を見て行きましょう。
上記のような家を借りようとすると、約30万円/月(!)が一般的なようです。
また、モロンビ地区の平均的な賃貸料である75,000円で、世田谷の家を探すと
・テラスハウス(約32㎡)※一軒家だが、フロアごとに賃貸にだす形式
・築83年(!)平屋 約28㎡
といった家が出てきました(笑)
比べるまでもありませんね。
ブラジルの家の賃貸料は、日本よりもはるかに安い
です。都心のほうで日本はブラジルの約4倍、田舎のほうで日本はブラジルの約2倍、家賃が高い感覚です。
ブラジルでマンションを借りる場合
ブラジルのマンション事情
上記の家事情でも説明しましたが、やっぱりマンションでも、地域によって全く賃貸料が違います。
また、マンションといっても、プールやジムやパーティールームが併設されている高級マンションもあれば、本当にシンプルなマンションもあります。
日本のマンション事情と大きく違うのは、ワンルームマンションはブラジルではありません。パウリスタ大通りといった、超大都会のど真ん中にあるマンションでも、日本でいうところの2LDKはあることが普通です。
また、入居時に敷金礼金といったものを払う習慣はありません。
ブラジルのマンションの賃貸料
都会の場合
先ほどと同じく、サンパウロ都心にあるモロンビ地区のマンションの賃貸料を見て行きましょう。
- 50㎡
- 2部屋
- 1バス・トイレ
- 1台分の駐車場
- 1サービスルーム(洗濯機等ランドリー関係の部屋)
- バルコニー
こういった部屋で約1000レアル(約30,000円)/月です。これにマンション管理費が500レアルほどかかってくるので、実際は約1500レアル(約45,000円)/月です。
田舎の場合
やはり先ほどと同じく、アクリ州のリオブランコの賃貸料を見て行きましょう。サンパウロ都心と似たような条件で探すと、管理費込みで約700レアル(約21,000円)/月です。
番外編
パウリスタ大通りのマンション賃貸料を見てみましょう。ブラジルの商業・経済の中心地で、非常に家賃が高いですが、どこへ行くにも、何をするにも便利です。ここに住む日本企業の駐在家族も多いです。
上記のマンションと同じような条件で、家賃4500レアル+管理費1000レアルで合計約5500レアル(約165,000円)です。高いのですが、日本で銀座の一等地に上記のような条件でマンションを探すと、25万円~30万円ほどになることを考えると、やはりブラジルの方が安いですね。
家賃、日本とブラジルどちらが高いの?
モロンビ地区と比較的立地条件等が似ている、東京都世田谷区の一戸建て賃貸料を見て行きましょう。
上記のような家を借りようとすると、約15万円/月が一般的なようです。
ブラジルのマンションの賃貸料は、日本よりもはるかに安い
といえます。マンションの場合、都心で日本はブラジルの3倍、田舎のほうで日本はブラジルの2倍ほど価格が高いように感じます。
総括
家賃は、ブラジルの方がずっと安い
主人(ブラジル人)と一緒に日本へ帰国したとき、マンスリーでマンションを借りたのですが、主人いわく「ウサギ小屋」サイズだそうです。(ほっとけ!)
個人的には、日本のワンルームマンションのこじんまりしたところ、効率よくスペースを使っているところはかなり好きなので、ワンルームって一人暮らしであればそんなに悪くないのでは、と思います。ただし、家族むけには、やっぱりのびのびと暮らせるブラジルの方がいいかもしれません。