ブラジルに来て早7年。ブラジルにいる日本人からは、「ブラジルの物価は日本並に高い」とも「ブラジルは安くて生活しやすい」という両方の声が聞こえてきます。
では実際のところどうなんでしょうか。
この【ブラジルの生活費】シリーズでは、一ヶ月の生活費を衣食住他、日用雑貨・教育費等に細かく分けて、だいたいブラジルの生活費は実際にいくらぐらいかかるのかみていきたいと思います。
第六弾は交通費です。
交通費
ブラジルの交通事情
まずは交通費の話をする前に、ブラジルの交通事情を説明します。
日本は世界有数の優れた交通インフラをもつ国です。田舎のほうはともかく、それ以外の場所は公共交通機関を使って移動をすることも可能だと思います。車を持っている人も多いですが、都市圏であれば車がなくても、電車やバスを乗り継いで行きたい場所に行くことができます。
ブラジルはそうではありません。ブラジルは、車社会です。
電車があるのは、サンパウロやリオデジャネイロといった大都市に限られ、それも日本に比べれば(都市の大きさを考えると)本数や路線が充実しているとはいえません。
車社会なのに、道路の車線数は足りておらず、慢性的な渋滞が発生しています。特にサンパウロやリオは深刻で、通常だったら車で30分でアクセスできるようなところも、2時間以上かかったりすることもざらにあります。
個人的な感想は、サンパウロは常に日本のゴールデンウィークのUターンラッシュ時と同じような混みかたをしている気がします。
また、ブラジルは階級社会で、電車・バスを利用するのは、学生もしくはあまり裕福ではない(労働者階級)人たちです。ブラジル社会はピラミッド型構造で、金持ちは(超金持ちですが)少なく、たくさんの貧しい人たちがいます。たくさんの貧しい人たちが、バスや電車に殺到するので、公共交通機関は混んでいることも多く、またマナーの悪い人たちも多いです。
ガソリン代
2019年の7月までの平均価格は1リットル=4.78レアル(約144円)です。
日本では、だいたい1リットル135円~150円くらいで推移することが多いですよね。
ガソリン代は、日本もブラジルも同じくらいの値段
といえます。
電車賃
サンパウロの電車賃を見て行きましょう。※電車賃=地下鉄代含む
サンパウロの電車・地下鉄の規模は、そこまでおおきくありません。サンパウロ中心部から、サンパウロ市内の住宅地に少しかかるあたりまで、地下鉄でいくことができます。※日本でたとえるなら、東京23区内なら電車で行くことができる感覚でしょう。
地下鉄は、料金4.3レアル(約130円)一律で、一駅乗っても、最終駅まで行っても同じ値段です。
地下鉄+バスの組み合わせでは、7.48レアル(約225円)一律です。
地下鉄+バスを組み合わせると、サンパウロ市内であればほぼ7.48レアルで移動することができます。
実際はサンパウロ市外から、サンパウロ市内(特に市内中心部)へ働きに出てくる人も多いので、サンパウロ市内の地下鉄+バス料金に、市外へのバス代がかかってくることも多いです。
日本の場合、JR東日本の初乗りが130円で、その後距離が増えるにつれて料金が上がってきますよね。日本の場合、首都圏なら電車+地下鉄の組み合わせで大体のところにいけてしまえますが、その都度初乗り料金を払う必要がありますね。
こういったことを考えると、
電車賃はブラジルの方が日本よりも安い
といえると思います。もちろん、乗車距離等の条件によって変わってきますが、体感的には、ブラジルの電車賃は日本の半額くらいかなと思います。
ちなみに、サンパウロの電車賃、2000年は1.4レアルだったんですよ。それが、この19年で3倍ちょっと値上がりしました。電車賃はこれからますますあがっていくことが予想されています(泣)
いつかブラジルの電車賃が日本に追いつく日がくるかもしれませんね。
バス代
サンパウロ市内のバス代の考え方は、上記の電車賃と全く同じです。
料金4.3レアル(約130円)一律で、一駅乗っても、最終駅まで行っても同じ値段です。
地下鉄と組み合わせると7.48レアル(約225円)一律です。
バスは、サンパウロ市内のバス+サンパウロ市外のバスを組み合わせて使う人も多いのですが、サンパウロ市内バス代4.3レアル+市外バス代4~5レアル(市によって違う)で、通勤に片道8~9レアル(240円~270円)かかる人がほとんどだと思います。
ベッドタウンから東京都心へ通勤したとき、大体400円~かかるので、これもブラジルの方が安いですね。
バス代もブラジルの方が日本より安い
といえます。電車賃と同じく、体感的にはブラジルのバス大は日本の半額くらいかと思います。
ちなみに、ブラジルのバスにはほとんどエアコンがついていません。通勤ラッシュの時間帯は、日本の通勤電車に負けず劣らず混むので、結構酷いことになります。
タクシー代
地域によりますが、ブラジルのタクシー代初乗りは約7.5レアル(約225円)くらいです。日本のタクシー初乗りが(東京の場合)1キロ400円位です。地方だと今でも初乗り2キロ700円くらいのところも多いと聞きます。
タクシー代もブラジルの方が日本より安い
ですね。やっぱり、日本とブラジルで同じような距離を乗ると、タクシーも日本のだいたい半額くらいになることが多い感じがします。
日本のタクシーは高いですが、制服をビシっと着て、白い手袋をはめて、本当にプロって感じの人が多いですよね。こちらブラジルは、よれよれのポロシャツ+音楽大音量がデフォルトです(笑)
Uber
日本ではまだあまり一般的ではないUber。アプリを使った配車サービスです。ブラジルでは既に、なくてはならない庶民の足になっています。
電車代・バス代がかなり値上げしてきているので、数人で移動する・もしくは近距離の移動なら、Uberの方が安かったりします。
Uberの値段は、タクシー代のさらに半額くらいです。
先ほど日本とブラジルのタクシーの値段を比較しましたが、Uberを使えばさらに安く、日本のタクシーの約4分の1の値段で移動できてしまえるということです。
もちろんブラジルのタクシードライバーのUberへの反発はすさまじく、サンパウロやリオデジャネイロではすでにUberは違法です。でも、全然減る気配を見せません。だって、Uberの方が便利で安いですからね。
総括
交通費はブラジルの方が日本より安い。
ただし車を使う生活をするなら、日本と同じくらいの費用がかかる
といえます。
ちなみに、ブラジルの公共交通機関は日本より安いですが、(バスやタクシーなら)渋滞が酷い、エアコンがない、めちゃくちゃ混んでいる等々、利用すると体力と時間を消費します。