皆さんは寿司が好きですか?
私は好きです。お高い寿司はもちろん美味しいですが、実は回っている寿司もおいしいと思える、馬鹿舌幸せものです。
寿司はすでに世界各地で食されている、日本を代表する料理ですよね。
今回は、ブラジル独自に進化を遂げた珍しい寿司を10個に絞ってご紹介します。
カリフォルニアロールだけじゃない、ユニークかつブラジルらしい寿司がたくさんありますよ!
ブラジルの寿司事情
まず、珍しい寿司をご紹介する前に、ブラジルの寿司事情について。
ブラジルは(日本を除けば)世界最大の日本・日系コミュニティーがある国です。日系人が特に多いサンパウロやクリチバといった都市に行けば、日本と変わらないレベルの寿司レストランを見つけるのも難しくありません。
ブラジルを代表する料理といえばシュハスコ(ブラジル版BBQ)ですが、シュハスコを提供するシュハスカリアよりも、寿司レストランの方が数が多いといわれています。
生魚なので、好きか嫌いかは好みが分かれるところですが、寿司はブラジルでは既に定番になっています。
ブラジルの寿司
寿司の分類
ブラジルでは日本と寿司の分類がちょっと違います。
URAMAKI
まずは、裏巻。これは日本と同じ、米を外にして巻く寿司です。
HOSOMAKI
これも日本と同じ。具材も日本と似たような場合が多いです。
ROLL(FUTOMAKI)
これは、日本で言うところの太巻きに近いです。具材はかなりユニークなものが多いです。
NIGUIRI(NIGIRI)
にぎり寿司。米に恨みでもあるのかと思うくらい、硬く握られてることが多いです。
DJÓ(DJOU/DYO)
ジョーとは、細巻で海苔の代わりにサーモンを巻いた寿司です。ブラジルではジョーとよばれ寿司の1分野となっています。サーモンをマヨネーズであえたものや、カニカマを細かく刻んだものが上にトッピングされてることが多いです。
TEMAKI
手巻き寿司。日本では、手巻き寿司は外で食べるものというより、家でお手軽に寿司を楽しむためのものですよね。
ブラジルではTEMAKIという寿司の1分野となっており、寿司レストランには必ず置いてあるメニューです。
そしてTEMAKERIA(てまけりあ)という、TEMAKIだけを提供するレストランもたくさんあります。
↑こんな感じで、結構ボリュームがあります。頼めば「米ぬき」の手巻きも作ってもらえます(要は、具材だけ)。とりあえず、こんな形のものであったら 手巻きと呼ばれます。
寿司の特徴
ブラジルの寿司の特徴として
- 果物がよく使われる
- クリームチーズがよく使われる
- サーモン一強
ということがあります。後ほど紹介しますが、マンゴーやイチゴを具材として使った寿司が色々あります。あとは、クリームチーズもマヨネーズ以上の頻度で使われます。日本でもサーモン好きな人は多いですが、ブラジルでは寿司=サーモンといった感じです。マグロもタコもありますが、(サーモンと比べると質が良くないのもあって)あまり人気がありません。
ブラジルで食べるべきユニークな寿司10選
それでは、ブラジルで食べるべきユニークな寿司を10個紹介します。「食べるべき」というのは、ブラジル独自で他ではなかなか食べれないものだから食べてほしいという意味で、必ずしも「おいしい」と同義ではないと予め申し上げておきます(笑)
1California
裏巻/細巻の一種。アメリカ等で見かける、アボガドが入った太巻きのカリフォルニアロールではないです。
ブラジルのカリフォルニアとは、カニカマ+マンゴー+きゅうりが入ったものです。
マンゴーが入っているというとビックリすると思いますが、未熟なマンゴーで少し酸味があるものを使うことが多いので、意外とカニカマの甘味とあって結構おいしいです。
2Tomate Seco
これも裏巻/細巻の一種。
クリームチーズ+ドライトマト+きゅうり(もしくはケール)がはいったものです。
これも日本ではまず見かけない寿司ですよね。意外や意外、ドライトマトの甘味とクリームチーズの酸味があって、カリフォルニアと同じくおいしいです。
クリームチーズを抜いて、ベジタリアン用の寿司とすることも多いです。
3Hot Filadelfia
ブラジルにはホットと名のついた寿司があります。ホット~とは揚げた寿司のこと。色々な具材のホット寿司(揚げた寿司)がありますが、定番中の定番なのがホットフィラデルフィア。
クリームチーズ+サーモンの裏巻/細巻/手巻きを、パン粉をまぶして揚げたものです。
「タレ」と呼ばれるソースがかかっていることも多いです。タレとは、照り焼きの味のソースのこと。
もう既に寿司と呼んでよいのか悩むところではありますが、味はおいしいです。タレをかけると寿司というより、サーモンのフライを食べてる気分になります。
4Skin
サーモンの皮を揚げたものをトッピングした寿司。裏巻/細巻/手巻き/握り寿司と色々なスタイルで提供されます。
これもホットフィラデルフィアと同じく、タレと一緒に提供されることが多いです。
タレと一緒に食べるとおいしい、、、といえないことも無いけど寿司にする必要性はあまり感じません。ただ、日本では見かけないと思うので、挑戦したほうが良いと思います。
5Atum
マグロですね。細巻/太巻き/手巻きと様々なスタイルで提供されます。マグロ+クリームチーズと一緒に提供されることがほとんどです。
マグロに限った話ではないのですが、カニカマ+クリームチーズ、たこ+クリームチーズ、、、といったように、とにかくクリームチーズが入っている寿司が多いです。
良く言えば、クリームチーズが具材の味をまろやかにしてくれます。悪く言えば、クリームチーズが具材の味を消してしまいます。
クリームチーズ入りの寿司に関しては、在伯邦人でも意見が分かれるところではありますが、日本ではなかなか見かけない寿司だと思うので、挑戦してみたほうがいいです。個人的には、ありです。
6Goiabada
ゴイアバとはグアバのこと。フルーツの入った寿司です。グアバ+クリームチーズ(+チョコレートソース)の寿司です。
ブラジル人はグアバ+チーズの組み合わせが大好きで、この組み合わせは「ロミオとジュリエット」と呼ばれます。ロミオとジュリエットのように甘くて完璧な組み合わせということですね。そんなロミオとジュリエットをブラジル人はなんと寿司にしました!
↑赤い部分はマグロではなく、グアバです。デザート的位置づけの寿司です。この甘い寿司はブラジル人でも賛否が分かれるところではありますが、基本どこの寿司レストランでもおいてあるので、需要があるということでしょう。
個人的には、一度食べれば十分かな?という感じです(笑)
7Peixe Branco com Limao
レモンのスライスが上にのった白身魚の握り寿司です。
なんの白身魚なのかは不明です(笑)寿司職人に聞いても「白身魚」といわれるだけです。でも必ずどこの寿司レストランにもあります。白身魚自体にくせはなく、美味しくいただけるのですが、問題はシャリ。サンパウロ等に行けばおいしい握りすしも食べられますが、基本的にブラジルの握り寿司のシャリは硬い!
手巻きも裏巻も細巻も美味しいものが多いけど、握り寿司が美味しいレストランを見つけるのはブラジルでは難しいです。
8 Salmao Dyo
サーモンのジョースタイルの寿司。(※ジョーとは、細巻で海苔の代わりにサーモンを巻いた寿司のこと)これは美味しい!
具材はサーモンを細かく刻んだものだったり、カニカマを刻んだものが多いですが、ブラジルはサーモンが美味しいので、ジョースタイルの寿司は基本的に何を食べても美味しいです。
9Morango
モランゴとは苺のこと。ドッシジレイチと呼ばれる、キャラメルに似たソース+イチゴの寿司です。キャラメルソースの代わりにチョコレートソースがかかっていることもあります。ホットタイプ(揚げたタイプ)もあります。先ほどのゴイアバの寿司と同じく、賛否両論のある寿司ですが、どこの寿司レストランにもおいてあります。
これは寿司ではない別物として食べれば、美味しいと思います。ドッシジレイチの味が強すぎて、酢飯なんて全く感じません(笑)
インスタ栄えもしますし(?)ぜひ食べてみてほしい寿司です。
10Grill Tare
細巻/裏巻の1つ。刻んだサーモン(もしくは揚げたサーモンの皮)+タレ+クリームチーズ+ねぎの寿司です。タレとは、照り焼きの味のソースのこと。とりあえずタレをかけておけば何でもOK、味は美味しいです。子供が喜びそうな味だと思います。
まとめ
寿司の定義とは何か迷うところではありますが、とりあえずブラジルでは酢飯と何かが入っていたら寿司のようです(笑)
美味しそうなものからビックリするものまで色々ありますが、まずは何でも挑戦してみるのがいいと思います。
たまに、こういった類の寿司をみると「そんなの寿司じゃない」とか「外人は寿司の味がわかってない」とか非難する人もいますよね。でもそんなのお互い様。日本だってマヨネーズがのっているピザや、ケチャップの入ったスパゲティ等々、現地の人がみたら卒倒しそうな食べ物、いっぱいありますよね。
食べ物のローカライズ化は、何も悪いことじゃないと思います。
むしろ「私たちの食べ物を楽しんでくれてありがとう!」くらいの気持ちで、現地に行った際は挑戦してみてはいかがでしょうか。