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【ファベラ=スラム街】日本人Youtuberスラム街で首絞め強盗にあう【知っておきたい5つのこと】

最近、ツイッターで在南米邦人をザワつかせるツイートが続いています。

それは、日本人Youtuberが南米のスラム街に撮影で入ったというもの

ブラジルのスラム街に入ったYoutuberは、ギャングの顔をカメラ撮影したり、ギャングから借りた銃の銃口をギャングに向けていたりと、ありえないことをしていました

↓ブラジルのファベラ(スラム街)を撮影した映像

アルゼンチンのスラム街で撮影をしようとしていたYoutuberは、首絞め強盗にあい所持金やパスポートを奪われました

↓在アルゼンチン日本国大使館からでてる情報

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※このアルゼンチンで被害にあったYoutuberが、ブラジルのファベラで撮影したYoutuberと同一かの情報はありません。

私はブラジルに住んで8年になります。ブラジルのスラム街(=ファベラ)に入ったことは3度しかありません。主人はブラジル人ですが、主人もファベラに入ったことは数度しかないそうです。

今回は、ブラジルのスラム街=ファベラ(ファベーラ)についてです。

ファベラとは何か?

なぜこのYoutuberが在ブラジル邦人から多くの非難をあびているかについて解説します。

また、この動画に対するブラジル人の反応もあわせて翻訳しておきます。 

 

 ファベラ(ファベーラ)について知っておきたい5つのこと

↑リオのファベラに10年以上住んだ伊藤大輔さんのファベラを写した写真集です

1)ファベラ=スラム街のなりたち

ブラジルでスラム街・貧民街のことは「ファベラ(ファベーラ)」と呼ばれます。

ブラジルの大都市はもちろん、私が住んでいる南部小規模都市にも存在しており、ファベラのないブラジルの都市はないといわれています。

ブラジルは「超」格差社会です。

ファベラは、そんな超格差社会でうまれた貧しい人々が勝手に土地を占拠し、家をたて、生活を始めた地区。

あまりにも規模が大きく、行政がとりしまれないために、そのままにされていますが、行政が認めたわけではないので、基本住所がありません

住所がないのに、電気や水はどうするのか?

盗むんです。電気でしたら、合法のエリアにひかれた電柱から電線をファベラまでひき、電気を使用しています。つまり電気代はタダです。※ファベラの映像や写真で、電線が異常にごちゃごちゃしているのはこのためです。

行政の手が入らないので、ファベラに都市の計画性は全くありません。そのため、道は細く迷路のようになっており、住民以外がそこに入るとまず迷います。

ブラジルのスラム街・ファベーラ(ファベラ)は、違法建築の集合体です。

※最近では便宜上、住所をわりふられているファベラもあります。

2)ファベラにも普通に生きている人がいる

スラム街と聞くと、まるで悪人の巣窟のように聞こえるかもしれませんが、ほとんどの人はただただ貧しいだけで、他に住む場所がないだけの普通の人たちです。

大都市リオデジャネイロでは、3割近くの人がファベラに住んでいるといわれていますし、その全員が悪人なわけないですよね。

ファベラは違法建築の集合体ですが、その中にランショネッチ(軽食屋)や美容院、ナイトクラブ等があり、1つの街・都市として機能しています。(もちろん違法営業)

ちなみに、 わたしの家のお手伝いさんも、ファベラに住んでいます。

ブラジルでも治安の良い南部の地方都市のファベラなので、サンパウロやリオデジャネイロといったファベラの規模とは比べものにはなりませんが、ファベラはファベラです。

私は3回ファベラに入った事があると書きましたが、そのうちの2回はこのお手伝いさんの家のパーティーに参加したからです。

車が通れないほどの細い道、ただの落書きにみえる壁にかかれた文字(※あとで説明します。)、ブロックむき出しのトタン屋根の家、異常にからまった電線、、、

お手伝いさんがファベラ地区の入り口あたりから家まで付き添ってくれましたが、やはりファベラと他の地区は様子が違います。

私の家のお手伝いさんは働き者で本当に正直な人ですが、彼女の兄弟のうちお兄さん2人はドラッグ取引で刑務所に入っています。

ファベラに住む人のほとんどは、先ほども書いたように「ただ貧しいだけ」の普通に生きている人です。

ただし、同時にドラッグや武器等の違法売買や、盗みや殺しといった犯罪にとても近い場所でもあります。

3)ファベラにはファベラのルールがある

ファベラは基本行政の手が入っていません。

※リオデジャネイロの一部のファベラは、リオデジャネイロオリンピック開催にあわせて、軍隊が介入し統治したりしていますが、基本行政はノータッチです。

ファベラを統治するのはギャングです。

違法ドラッグや武器の売買、犯罪行為を生業とするギャングがそのファベラの行政です。

ファベラには、普通の暮らしとは違うファベラのルールがあります。

それは、ギャングの本拠地とするところに近づかない、ギャンググループに属する人間の写真をとったりしない、家の土地代をギャングにおさめるといった、普通の暮らしとは違ったものです。

先ほど、ファベラの壁にはただの落書きに見える文字がかいてあると書きましたが、これもファベラのルールの1つです。どのギャングのテリトリーなのか、またドラッグ等の売買の場所を示す情報が書かれています。

4)ファベラの危険度にも色々ある。

ファベラと一口にいっても、規模から危険度まで様々です。

サンパウロで2番目に大きいとされるParaisópolisというファベラには10万人を超える人間が住んでいるといわれています。

その一方で、私の住む南部地方都市のファベラは、本当に小さい「地区」という範疇をこえません。

危険度も様々です。

非難をあびてる、ブラジルのスラム街に入ったYoutuberが行ったVidigalというファベラは、リオデジャネイロにあります。イパネマビーチといったリオデジャネイロを代表するビーチを一望できる、一部は観光地にもなっているファベラです。危険ではありますが、ルールさえまもれば観光できなくもないです。

※海外やブラジル国内の観光客をファベラに案内するツアーがあり、人気があります。

私もリオデジャネイロのファベラツアーに参加したことがあります。Rochinhaというブラジルで最も大きいファベラで、ファベラでの振舞いやルール、成り立ちについて教わり非常に興味深かったです。

ただし、RochinhaやVidigalという観光ツアーがあるファベラであっても、ルールや見てもいい場所を守らなければ危険度ははねあがります。このYoutuberのような振る舞いはありえません。

また、1つのギャングが統率しているファベラであれば比較的安定しているのですが、ファベラ内に複数のギャングが存在して、縄張り争いをしているファベラは治安が不安定になるとも教わりました。

5)ファベラの均衡がいつ破られるかは、誰にもわからない

 ファベラの一部は観光地化しており、ファベラの住人も観光客を相手にみやげ物や軽食を売って生計をたてている人もいます。ファベラツアーは、観光客に人気があります。

その一方で、ファベラの均衡がいつ破られ事故にまきこまれるかは誰にもわかりません。

警察や軍隊が治安の回復を目的に、ファベラに介入した結果、無関係なファベラの住人が巻き込まれ死亡するといった事件は後をたちません。

またファベラツアーに参加していたスペイン人が警察に誤って撃たれ死亡したり、道を間違えてファベラに入ったイタリア人がギャングにより殺されたりしています。

2017年、ブラジル全土で暴力により死亡した人数は65,602人をこえ、そのうち銃犯罪による死亡は47,510人です。暴力で1日に179人以上の人間がなくなっているという計算になります。

※参考元Atlas da Violência 2019: número de mortos por armas de fogo cresce 6,8% e atinge patamar inédito - Jornal O Globo

そして、そういった暴力行為による死亡事件は7割以上がファベラでおきているとも言われています。

ファベラに住み、ルールを熟知しているファベラの住人でも、いつどこで何がおこるのか予想できないのです。

何度も書きますが、ファベラの均衡がいつ破られるかは誰にも予想ができないのです。ブラジルは全体として治安は悪いのですが、気をつけていればなんの問題もなく生活できますし、旅行もできます。しかし、ファベラに関しては、全くの別物だと考えたほうがいいです。

在伯邦人は、なぜファベラに入ったYoutuberに訝っているのか

彼はファベラについて本当に無知である

彼はファベラに関して本当に無知だと感じます。私もファベラについて、ファベラに住むお手伝いさんの家で、またファベラツアーで見聞きいたことだけなので、詳しく知っているとはいえません。それでも、彼は無知だと断言できます。

他の映像のタイトルのつけ方や、内容をみても、そもそもファベラについて全く勉強不足だと思います。

彼はファベラのルールを無視しています。ファベラで写してはいけないものを写しています。それはギャングの姿だったり、テリトリーを示す落書きだったりです。ギャングに銃口を向けるなんて言語同断です。

それは、ファベラの均衡を破る引き金にもなりかねません。

彼だけの問題では無いのです。

ファベラには普通に生活している人間も沢山います。ただでさえ、危うい均衡のもとにあるファベラで、警察・軍隊の介入も増えている今、その均衡を破るという事は、そのファベラの住人を巻き込む可能性も多分にはらんでいるのです。

ファベラで彼のような振る舞いをするということ、自己責任という言葉だけではすまされないのです。

ブラジル人の反応

ここで、この映像をみたブラジル人の反応を一部訳しておきます。

・麻薬売買人の銃と写真をとるなんて、なんて糞っタレなんだ。

・他の国を旅するブラジル人:風景、劇場、公園、カジノ/ブラジルに来る外国人:貧民街、武器、麻薬。

・頭がおかしいよ。私はここを通り抜ける勇気さえないよ

・日本人はクレイジー。彼が死んだら、あらゆるニュースのコーナーになるね。

、、、という感じで、比較的非難するコメントは少なかったです。非難と言うより、ひたすら驚愕という感じでした。もう有り得なさすぎて、あきれているといったところでしょうか。

まとめ

今回はブラジルのファベラについてまとめました。

ブラジルに観光でくるような先進国から来た人にとっては、ブラジルのファベラは全く異質なもので魅力的に感じるかもしれません。

でも、ブラジル人にとってはファベラはなにも誇るものではありません。ファベラはブラジルの恥部です。経済格差の象徴であり、治安の悪さの原因にもなっています。

ファベラに行きたいのであれば、自己責任ですむ範囲でおさまるように、信頼できるツアーを利用し、適切な行動を心がけたほうがいいと思います。

※ちなみに、私が利用したツアーは、ファベラの本当に入り口近辺+ちょっと景色のいいところあたりしか周っていません。自分ひとりで勝手に入るということは、本当にやめるべきです。また、ツアーを利用したからといって、安全が保障されているわけではありません。 

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