医療目的としての大麻・マリファナ考察
最近、大麻・マリファナを合法とする国・医療用大麻を承認する国が増えてきています。日本で大麻・マリファナというと、「危ない」とか「依存性が~」等々負の面ばかりがフォーカスされがちですが、ポジティブな効能や効果も存在します。
今回は、大麻・マリファナを医療目的として使用した場合、どんな効能が得られると考えられているか、15個にまとめました。
大麻・マリファナ合法化の賛成・反対に言及する記事ではありません。
ただ、賛成・反対の前に、なぜ医療用大麻を承認する国がふえてきているのか、知識として「マリファナとは何か」を知ってから議論すべきだという思いがあり、参考にしていただければと記事にまとめました。
※日本での大麻使用・所持は犯罪です。 この記事はマリファナの使用や所持を促すために書いているわけではありません。
大麻・マリファナの15の医療効果・効能
1 ガン細胞の増殖を遅くする/とめる
AACR(American Association for Cancer Research)は、大麻・マリファナの有効成分であるカンナジオール(CBD)に、ガン細胞の増殖をとめる・遅くする効果があると発表した。
2 アルツハイマーの予防
the Scripps Research InstituteのKim Janda氏は、大麻・マリファナの有効成分であるTHCには、アルツハイマーの原因となる(可能性のある)物質の合成を遅らせる効果があると発表した。
3 緑内障の治療に有効
National Eye Instituteは、失明の原因ともなり得る、眼圧の高まりや視神経の損傷について、大麻・マリファナを使用して治療できる可能性を示唆した。
MARIJUANA AND GLAUCOMA - Marijuana as Medicine? - NCBI Bookshelf
4 関節リウマチを楽にする
The Jornal of the International Association for the Study of Painは、大麻・マリファナの有効成分であるCBDには、関節リウマチの痛みをやわらげ、不快さを取り除く可能性があるとする記事を掲載した
Transdermal cannabidiol reduces inflammation and pain-related behaviours in a rat model of arthritis
5 てんかんをコントロールする
Virginia Commonwealth UniversityのRobert J. DeLorenzo氏は、マリファナの有効成分であるTHCは、脳の興奮・弛緩をコントロールする脳細胞に作用することにより、てんかんの発作をコントロールする可能性を発表した。
6 多発性硬化症の痛みを和らげる
Canadian Medical Associationは、多発性硬化症によってもたらされる、筋肉の痙攣等をとめるのに、大麻・マリファナの有効成分であるTHCが効果があると提言した。
Smoked cannabis for spasticity in multiple sclerosis: a randomized, placebo-controlled trial
7 パーキンソン病からくる震えを落ち着かせる
大麻・マリファナが合法化されたイスラエルで行われた調査。大麻・マリファナには、パーキンソン病患者の眠りを助け、震えと痛みを減少させる効果があると発表された。
Israel pushing ahead in medical marijuana industry
8 クローン病の症状の緩和
Tel Aviv Universityの Dr. Timna Naftaliは、cannabis oil(大麻の有効成分であるCBDを抽出したオイル)は、痛み・吐き気・下痢・体重減少等のクローン病の症状を緩和すると発表した。
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-10/sh-cis101518.php
9 ドラベ症候群※の症状を減らす
American Epilepsy Societyは、大麻・マリファナの有効成分のCBDとTHCのうち、高いCBD含有量かつ低いTHC含有量のものについて、ドラベ症候群の症状を減らすとする調査結果を発表した。
※ドラべ症候群は、通常1歳までに発症し、全身あるいは半身のけいれんを繰り返す指定難病のひとつ
Anticonvulsant Effects of Cannabidiol in Dravet Syndrome
10 C型肝炎の治療における副作用を減らし、治療効果をたかめる
European Journal of Gastroenterology and Hepatologyは、大麻・マリファナは、C型肝炎治療における疲労・吐き気・筋肉痛・食欲不振・うつといった副作用を減らし、逆に治療効果を高めると発表した
11 不安の減少
ハーバード大学は、大麻・マリファナの効能として、喫煙者の気分を改善し、低容量で鎮静剤として作用する可能性があることを示唆した。
Medical marijuana - Harvard Health Blog - Harvard Health Publishing
12 肺機能の改善
Journal of the American Medical Associationは、大麻・マリファナの喫煙者は、タバコ喫煙者およびタバコ非喫煙者よりも、肺機能がよく働いているという研究結果を発表した
Study: Smoking Marijuana Not Linked with Lung Damage | TIME.com
13 脳卒中後の脳を守る
University of Nottinghaは、大麻・マリファナは、脳卒中によって影響を受ける範囲を縮小することで、脳卒中による損傷から脳を保護するのに役立つ可能性があるという研究結果を発表した。
Cannabis 'May Help Stroke Recovery By Improving Brain Functions After The Attack' | HuffPost Life
14 化学療法による吐き気や痛みを軽減し、食欲を増進する
American Cancer Societyによると、大麻・マリファナは化学療法による副作用(吐き気や痛み、食欲の減退)を軽減する可能性があると示唆している
15 脳の損傷を保護し、治癒をたすける
Oxford ACADEMICの記事によると、実験はねずみを使って行われ、マリファナは脳の損傷を軽減し、外傷後の治療メカニズムを助けるという結果が得られた。
まとめ
以上大麻・マリファナの医療効果として考えられる15の効果・効能でした。
今回は、良・ポジティブな側面をかきましたが、負・ネガティブな側面ももちろん存在します。
また、このポジティブな効果についても、まだまだ議論の余地がたくさんあります。
この記事が、医療用大麻や大麻合法化是非についての参考になれば幸いです。
※とりあえず15個の効能をピックアップしましたが、研究によって間違いが明らかになった・更なる効果が発見された等があったら、随時追記していきます。